資産運用の基礎知識と注意点

子供のための貯金と資産運用|教育費用とおすすめの投資とは

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教育費は人生の三大支出の1つと言われており、大学卒業までにかかるお金は、子供一人につき数千万円以上になるとも言われています。

どの家庭にも教育に費用をかける余裕があるとは限りませんが、大切な我が子には精一杯のサポートをしてあげたいですよね。

そんな大切な我が子のためにも、教育資金はしっかりと時間をかけてコツコツと蓄えていかなければなりません。子供が大きくなり始めてからではなく、生まれてすぐ、あるいは生まれる前から準備することが大切になってきます。

この記事では、FPの資格を持つ筆者が、子供の教育資金がどの程度あれば良いのか、どう用意すればいいのか分からないという方に向けて、子供の教育資金はいくら必要なのか、効率的に教育資金を用意するにはどうしたら良いのかを紹介していきたいと思います。

ぜひ子供の教育資金への備えにお役立て下さい。

1分でわかるまとめ

子供のためにかかる教育費用

大学卒業までにかかる教育費用は費用は、公立大学でも2000万円以上、私立大学だと4000万円にもなると言われています。

これは生活費や学費、教材費、交通費、住居費などを含めた総合的な費用ですが、公立大学でも2000万円以上という金額は、多くの人にとって大きな負担となります。私立大学の場合は、4000万円以上となることから、いかに教育費用が大きいか分かるかと思います。

また、これはあくまでも「子供一人当たり」の費用です。

子供が2人の場合は、単純に約2倍必要になるので、教育費用は4000万〜8000万円も必要になります。

 

教育費用を賄うためにオススメの準備

教育資金を準備するためには、貯金や学資保険は一般的な方法ですが、これらだけでは十分な資金を準備できない場合があります。

そこで投資による資産運用が重要となってきます。

教育費用に対する不安を解消するために、早めから投資/資産運用を始めて計画的な貯蓄や資産形成を行うことが大切となります。

 

教育資金を確保するためのおすすめの運用方法は「積立投資」です。

積立NISAやジュニアNISAなどの税優遇のある制度を活用して、10年〜20年と長期的に資産形成するのがおすすめです。

子供が大きくなるのに合わせながら、コツコツと積み立てることで、高校・大学とより大きな費用が必要になる時期に間に合うように、十分な資産形成をすることを目標としましょう。

 

子供を育てるためにはいくらかかる?

子供を育てるには一体どれくらいのお金がかかるのでしょうか。ここから具体的に見ていきたいと思います。

高校卒業までの学習費用

まずは幼稚園から高校卒業までの学習費用を、公立/私立別に見ていきましょう。

学習費総額(全国平均)

公立 私立
幼稚園 47万円 92万円
小学校 211万円 1000万円
中学校 162万円 430万円
高校 154万円 316万円
合計 574万円 1838万円

参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」

文部科学省の調査によると、幼稚園から高校卒業までの3〜18歳の15年間でかかる学習費用(※)は総額で上記のようになります。

※学習費用には授業料や入学金などの「学校教育費」や「給食費」、学習塾などの「学校活動費」が含まれます。

全て公立で済ませたとしても574万円、全て私立にした場合1838万円が必要です。あくまでも全国平均なので、都市部に住んでいる人の場合、この金額以上に費用がかかることが想定されます。

 

大学進学した場合の費用

また、大学に進学した場合、費用はさらに高くなります。

大学の入学費用は平均で81万円です(入学費用には受験費用や学校納付金、入学しなかった学校への納付金などが含まれます)。

それに加えて在学費用が年150万円なので、大学入学〜卒業までで約681万円が必要になります。最も金額の高い私立理系の場合821万円です。

また全体の4分の1以上(28.1%)にもなる「自宅外通学者」(=一人暮らし)について見てみると、年間の仕送り額は平均95.8万円(月7.9万円)なので、4年間で383万円です。

つまり、大学入学〜卒業までで、平均でも1000万円以上必要になることがわかります。

 

結局いくらかかるのか

ここまで見てきた数字をまとめると、子供の教育にかかる費用は3歳の幼稚園から大学卒業の22歳までの約20年間で、最大3000万円以上も必要になることがわかります。※幼稚園〜高校まで全て私立、かつ大学は私立理系で一人暮らし

 

もちろんこれはあくまでも「学習費用」「教育費用」なので、食費や衣服代、交際費、お小遣いなどの日々の生活にかかるお金は追加で必要になります。

仮に公立校を中心に進学したとしても、就職して社会に出ていくまでに少なくとも1000万円、より自由に様々な経験をさせてあげたい(留学に行かせる、私立でもやりたいことを学ぶために好きな大学に進学するなど)と考える場合、総額で3000〜5000万円が必要になると言われています。

費用を賄うために必要な資金

収入に合わせたモデルケース

では、総額ではなく、実際どの程度の費用を年間に費やしているのかを、子供の学年と年収別に見ていきましょう。

年収/費用 就学前 小学校 中学校 高校
300万円 4~10%
(年12~30万円)
6~8%
(年18~24万円)
9~11%
(年27~33万)
11~13%
(年33~39万円)
500万円 3~7%
(年15~35万円)
4~6%
(年20~24万円)
7~9%
(年35~45万円)
9~10%
(年45~50万円)
700万円 3~6%
(年21~42万円)
4~6%
(年28~42万円)
5~8%
(年35~56万円)
7~8%
(年49~56万円)
900万円 3~5%
(年27~45万円)
3~5%
(年27~45万円)
5~7%
(年45~63万円)
7~8%
(年63~72万円)

参考:ベネッセ総合教育研究所 学校外教育活動に関する調査

 

教育費を抑えるにも限度があるので、年収が低い世帯ほど教育費の年収に占める割合が大きくなる傾向があります。やはり教育費用が家計を圧迫していることは明らかです。

収入が増えると教育費用の割合はそこまで変わらなくとも金額は大きく増えます。これは家庭環境や教育方針などの変化が原因だと思われますが、結局はいくら稼いでも教育に充てる費用が十分準備できる、余裕をもって子育てできるということにはならないようです。

あくまでも全国平均なので参考ですが、実際にこれくらいの支出があることは覚悟しておきましょう。

 

いつまでにいくらお金があれば良いのか

漠然と総額3000万円と言われても実感がわかないと思うので、もう少し小さな目標を設定していきましょう。

仮に「私立幼稚園→公立小学校→私立中学→私立高校→私立大学(一人暮らし)」と進学したとすると、卒業までにかかる費用は以下の通りです。

幼稚園(私立) 小学校(公立) 中学(私立) 高校(私立) 大学(私立) 一人暮らし費用
6歳 12歳 15歳 18歳 22歳
92万円 303万円
(+211万円)
733万円
(+430万円)
1049万円
(+316万円)
1804万円
(+755万円)
2187万円
(+383万円)

 

決して小さな金額ではありませんが幼稚園〜大学卒業までの20年をかけた教育費用の総額なので、コツコツ貯めていけば決して非現実的な金額ではありません。

例えば高校卒業までで考えた場合、18歳までに1049万円なので、年間58.2万円(月4.9万円)をコツコツ積み上げていけば到達します。

その時になっていきなりまとまったお金を用意しようとすると苦しいですが、早め早めから先を見越してコツコツ備えることが大切なのです。

 

教育資金をどうやってまかなうか

節約と貯金が王道だが…

ほとんどの家庭では、教育費を捻出するために「節約」をして支出を抑えたり、パートに出て収入を増やすなど、なんとかして日々の家計の収支で教育費を賄おうとしています。

日々の生活の口座と教育費用を管理する用の口座を分けて用意するなどの工夫をすると、管理もしやすくなります。

 

もちろん、日々家計をやりくりして必要な費用を賄うことは素晴らしいことですが、子供の年齢が上がるごとに少しずつ費用が上がり負担が増える教育費の捻出においては「ジリ貧」と言わざるを得ません。

先ほども述べた通り、教育費用は子供の成長に合わせて20年近くもかけて少しずつ必要になってくるものです。そこでおすすめなのが「資産運用」によって、教育資金を賄う方法です。

子供が小さいうち(できれば生まれる前から)コツコツと積立投資を進めていけば、少額であっても将来十分な教育資金を賄うことができます。

 

もちろん日々の貯金も重要ですし、既に資産形成目的で投資をしている人もいるかもしれませんが、教育費用を賄うという名目で別口で資産形成をすることで、お金の管理もしやすく、また家計と切り離すことで、大学受験〜入学などのまとまった費用が必要な時にもあせることなくお金を用意することができるようになります。

将来を見越して、先回りして準備することでお金の不安を解消することができるようになります。

 

資産運用を行った場合のモデルケース

では、実際に積立投資をして教育資金をまかなうケースをシミュレーションしてみましょう。

高校卒業(18歳)までに必要な資金は1049万円なので、これを日々のやりくり・節約だけで賄うには、毎月4.9万円必要になります。

ですが、仮に年3%で運用できる場合、月に3.7万円を積み立てることができれば、18年で1058万円まで増やすことでき、毎月1.2万円(約25%)の費用削減になります。

毎月の支出 総支出(18年間) 積立総額
節約のみ 4.9万円 1058万円 1058万円
積立投資(年3%) 3.7万円 799万円 1058万円

 

このように早くから積立投資で資産形成することで、250万円以上も余裕をもって十分な教育費用を賄うことができるのです。

250万円(年15万円弱)の差があれば、日々の生活に余裕を持たせることもできるでしょうし、子供の進学の選択肢もより幅が広がります。少しでも自由に勉強させてあげたいのであれば、資金はあるに越したことはありません。

子供の成長に合わせて、少しずつ投資によって教育資金を用意することも検討してみてくださ

 

オススメの資産運用方法3選

具体的に、教育費用をまかなうのにおすすめの資産運用の方法を紹介していきます。教育費用をまかなうことを目的とした資産運用において重要なのは

  • リスクが低いこと(高いリターンが必要ないので)
  • 長期間安定していること

です。

先述の通り、月に4万円も積立ができれば、年3%の利回りで高校卒業までの教育費用は十分に賄うことができます。裏を返せば、年3%で十分なので、変に高いリターンのものを狙ってリスクを取る必要はありません。

また、生まれてから高校卒業〜大学までと考えた時、運用期間は20年と長期間になります。長期の運用でこそメリットがある運用手法がおすすめです。

 

投資信託(NISA)

積立投資でまず真っ先に思いつくのが投資信託でしょう。やはり、少額からコツコツと長期で積立ができる投資信託は、教育費用の準備にも役立ちます。

投資信託には様々なものがありますが、ここでは「長期・安定・低リスク」が重要なので、楽天やeMAXISのように「全世界株式連動」の、いわゆる「インデックス型」の投資信託を買うようにしましょう。

 

また投資信託の運用においては、NISAやiDeCoといった税優遇される制度が活用できるのも大きなメリットです。

一般に投資の利益に対しては20%の税金が引かれてしまうため、年3%で運用しても実質的には2.4%のリターンしか得られませんが、NISAの枠内であれば、利回りが満額リターンとして受けとれます。

 

今はネット証券などで簡単に口座開設できるので、まだ口座を持っていない人はこれを機に検討してみてください。

NISAは2024年に制度改正され、保有期間は無期限になり、ますます長期積立投資がしやすくなります。年間投資額は120万円、保有限度額は1800万円に設定されているので、教育費用の準備においては十分でしょう。

学資保険

教育費用の準備において学資保険を外すわけにはいきません。学資保険は、将来の教育費用を貯めるために保険会社が提供する商品のことです。

学資保険に加入すると、支払った保険料を積み立てておいて、子供が成長した時に祝い金や満期保険金としてまとまったお金を受け取ることができます。12歳、15歳などのタイミングで少しずつ切り崩すものもあれば、18歳になったときにまとめて祝い金をもらうものなど様々なタイプがあります。

学資保険の最大のメリットは、契約者(親)にもしものことがあった場合にも保証が受けられる「保険」としての機能です。また生命保険料控除の対象となるなど、税金面でもメリットがあります。

 

ですが、あくまでも満期まで払い込むことが前提の保険のため途中で解約したりすると損をする場合もあるので注意してください。月々の支払いが苦しくなるほど積み立てると後々苦労することになります。

あくまでも保険なので、返礼率(リターン)は決して高くありません。保険としては有効ですが、資産を増やす目的で考えると物足りない部分もあるので、投資信託などと組み合わせて使うようにしましょう。

 

債券

教育費用をまかなうための資産運用方法としては「債券」もおすすめです。債券は、リスクが低く、基本的に元本保証に近い形で運用することができます。

債券の中でも利回りの高いものに投資する場合「10年もの」「20年もの」と長期間のものが対象になるため、一般的な資産運用では流動性の面で注意しなければいけませんが、「教育費用」という観点においてはほとんどデメリットがありません。

利回りが1〜2%程度のものもあり、これだけで教育費用を全額賄うのには不十分な可能性もあるので注意が必要です。並行して貯蓄や他の投資も進める必要があります。子供が生まれると同時に20年ものの債券を買うのも面白いかもしれません。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

教育費用は一人あたり2000〜4000万円と決して小さな金額ではありません。また、大学受験や入学など、一度に100万円以上の支出が一気に襲ってくる場合もあります。

多くの人は貯金を切り崩したり、節約やパートなどでなんとか家計をやりくりしているようですが、日々の収支に加えて、早めから投資・資産運用することで、少しでも無理なく将来のお金に対して準備をすることが非常に重要になります。

教育費用の準備に限らず、このサイトでは様々なケースでの資産運用やおすすめの投資手法の紹介などをしています。皆さんの生活に少しでも余裕ができる、将来のお金に関する不安が解消されるような情報を発信しているので、ぜひ参考にしてみてください。