資産運用の基礎知識と注意点

資産を増やす最適なバランスの投資ポートフォリオとは

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投資を始めたばかりや、投資をこれから始めようという場合、どんな商品をどれくらいのバランスで運用するのがいいか分からない、という方も多いのではないかと思います。

これに対する答えは、ご自身がどれくらいリスクを許容できるか、どれくらいのリターン(利益)を得たいかによって異なります。

そのため、投資を始めたばかりの方やこれから始める方は、まずご自身のリスク許容度とリターンに適した資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を考えていくことが大切となります。

この記事を読むことで、自身のリスク許容度と、期待するリターンを得るための最適なポートフォリオが分かるようになります。ぜひ、最後まで読んで、ポートフォリオ作成の参考にしてみてください。

ポートフォリオを徹底解説!正しい投資で資産を増やそう

先述したように、資産を増やすことを考える場合、自身のリスク許容度に合わせて投資をしていく必要があります。

そのうえで「どのような商品を選ぶか」それをどのように組み合わせて運用するか、つまりポートフォリオをどのように構築していくかを決めることが、投資においては非常に重要です。

 

しかし、どのようなポートフォリオが自身に適しているのか分からないという方も多いかと思います。自分に適したポートフォリオはどのように見つければ良いのでしょうか。

 

それには、一般的に理想的と言われるいくつかのポートフォリオを見て、自身の置かれた環境や考えに一番あったものを参考にしていくのが効率的です。

ポートフォリオの構築の際、最初から独自の解釈で商品を組み入れると大きな損失を出してしまう場合があります。

その点、世間でよく利用されているポートフォリオを参考にすることで損失のリスクを軽減することができます。この記事でも代表的なポートフォリオのパターンを3つ紹介しているので、ぜひ参考jにしてみてください。

 

ここまでポートフォリオの組み方や考え方について話してきましたが、、そもそもなぜポートフォリオを組むことが重要なのでしょうか。ポートフォリオの構築が必要な理由を解説します。

 

リスクを分散させ投資のリスクコントロールがしやすくなる

投資には「卵を一つのかごに入れるな」という格言があります。

一つの投資商品に集中すると、その商品に関する問題が生じた場合に大きな損失を被る可能性があります。

そのため、株式や債券など、複数の投資商品に分散して投資することが重要です。

 

リーマンショックのような予測不能の大恐慌は例外としても、過去の歴史を振り返ってみると、大きな経済の停滞は幾度も起きていることが分かります。

もしそのような停滞に見舞われた場合、正しくリスク管理できていないと大きな損失を被ってしまったり、最悪資産の大半を失ってしまうことも考えられます。

ですが、ポートフォリオを作ることで、許容度に合わせてリスクをコントロールできるため、金融危機時などでも損失を最小限に抑えることができます。これにより、場当たり的な売却による資産減少を防ぎ、資産の保全が可能となります。

このように、投資を考えるうえで自身のリスク許容度を知り、分散投資で安全に運用していくため、ポートフォリオの構築は非常に重要であり、必要不可欠なものなのです。

 

1分でわかる運用ポートフォリオのまとめ

ポートフォリオの構築にあたっては、自身のライフステージや目的に応じて最適な組み合わせを選択する必要があります。ここからは、参考までにいくつかオススメのポートフォリオをご紹介していきます。

 

1. バランス型ポートフォリオ

リスクとリターンのバランスを重視したい人は、株式と債券に50:50で分散投資するポートフォリオがおすすめです。

収益性の高い株式と低リスクの債券をバランスよく組むことで、リスクヘッジも保ちつつ比較的安定的な収益を期待できます。堅実に、リスクを避けて投資したい方にオススメのポートフォリオです。

 

2. グロース型ポートフォリオ

積極的に資産を増やしたい人は、株式を中心に投資し、リスクを取りながら高いリターンを狙うポートフォリオがおすすめです。国内市場に限らず、海外(先進国、新興国)の株式に投資することで更なる収益性のUPが期待できます。

収益性が高い分、リスクも伴うので、投資する期間を長くとれて、様々なことにチャレンジし、失敗してもリカバリーができる若年層向けのポートフォリオと言えます。

 

3. インカム型ポートフォリオ

安定的な収益が欲しい人は「配当金」や「利子」「家賃収入」などの定期収入が見込める株式や国内不動産を中心としたポートフォリオがおすすめです。年金受給者や定年退職者の方に向いているポートフォリオでしょう。

ここがポイント

今の時代、貯金だけでは資産は増えていきません。そればかりかインフレによって資産は確実に目減りしていきます。

そのため、多少のリスクをとってでもリターンを得て資産を守っていく必要があります。

ただ、バランスを加味したポートフォリオで資産運用することができれば、リスクは最小限に抑えることも可能です。

ただし、これらに正解というものはありません。繰り返しになりますが、あくまで自身のライフステージや目的に応じて最適な組み合わせを選択していくことが大切になります。

ポートフォリオを考える

資産運用において、資産の分散=ポートフォリオの構築は非常に重要です。

ポートフォリオを組んで分散投資をすることで、リスクを抑えることができるからです。

例えば、株式投資だけに偏ってしまうと、株価の変動に大きく左右されることになります。特定の国など(アメリカだけ、中国だけ、など)に絞りすぎるのも、その国の政治や経済と一蓮托生になってしまいます。

株式、債券、不動産投資信託(REIT)など、複数の資産に分散投資すれば、各資産の特性を活かしつつ、ポートフォリオ全体のリスクを抑えることができます。

 

また、リスクとリターンにはトレードオフという関係があります。

高リターンが狙える資産に投資する場合、高いリスクが伴いますが、その逆もあり、低リスクなものばかりに投資しては、リターンも低いままです。

 

つまり、様々な金融商品を組み合わせてポートフォリオを組むことで投資家は自分のリスク許容度に応じて、リスクとリターンをコントロールすることができるのです。

例えば、若い世代は、将来のキャッシュフローを考慮しながらも、リスクを取って高リターンを狙うことができます。一方、年齢が上がるにつれて、将来の収入に依存する可能性が高まるため、リスク許容度が下がっていきます。そのためご自身の状況にあわせたポートフォリオを考えていくことが非常に重要です。

では、ここから20代から60代までのライフステージごとに、どのような資産ポートフォリオを構築していくのが望ましいのか、具体的に考えていきましょう。自身の置かれているリスク許容度に合わせて適切な資産ポートフォリオを構築し、分散投資していく事で、今後確実な資産を形成していくことができるようになります。

 

【20代】積極的にチャレンジできる世代

20代の方は、将来のために時間を有効に活用できるため、株式に限らず様々な手法に積極的に挑戦して資産を増やしていくことを検討してみると良いと思います。

特に、成長が見込まれる先進国の株式に投資することで、将来的なリターンを狙うことができます。ただし、株式投資はリスクが高いため、自分自身が許容できる範囲での投資を心がけることも大切です。

また、若くして運用をはじめると、運用期間が長く取れるため複利の効果を最大限活かすためにもリスクの少ない積立投資も並行してスタートすることをおすすめします。

 

【30代】チャレンジに安定感が加わる世代

30代になると、リスクを抑えたポートフォリオを選ぶ傾向が一般的ですが、まだ時間に余裕があり、長期投資も可能なため、積極的に資産を増やすことをおすすめします。

ただし、ポートフォリオの中には債券も適度に組み込むことなど、20代よりは慎重に、ある程度自分の得意な手法に絞って、リスクを抑えつつ安定的な運用を目指すことが重要です。

将来のために適切な投資を行い、自分自身のライフプランに合わせたポートフォリオを組むことが大切です。

 

【40代】リスクを抑えて着実に成果が欲しい世代

40代になると、将来の退職を考えて資産を守るために低リスクな資産を多めに組み込んだポートフォリオに移行してしまいがちです。

しかし、60歳で退職するとしても、まだ20年以上の長期投資が可能ですので、株式や不動産投資信託(REIT)にも分散投資を行い、安定的に資産を増やすように心がける方が良いと思います。

 

【50代】リスクを抑えつつも収益性も必要な世代

50代になると、60代での退職が近づき、将来に備えてより安定的な運用が求められます。

ポートフォリオにおいては、債券を中心に配分することが一般的であり、守りの要素が強くなります。

しかし、攻めの要素として株式への投資も一定程度必要です。ただし、為替リスクを考慮して新興国株式のような高リスクの資産を避け、国内株式など絞ることをおすすめします。

 

【60代】不要なリスクを回避する世代

現役世代と異なり収入が年金という方がほとんどとなります。無理なリスクを冒さず国債などの安全資産で運用していくことが望ましいと言えます。また株式などをポートフォリオに組み込む場合でも、少しでも安全性が高いとされる銘柄を選ぶことが重要です。

 

ポートフォリオに組み込むオススメ運用方法

ここではポートフォリオに組み込むべきオススメの運用手法と、その手法のメリット、デメリットをご紹介していきます。各資産・金融商品の大まかな特性を把握し、ポートフォリオに組み込む時の参考にしてみてください。

 

ローリスク・ローリターン「国内債券」

国内債券は元本が保証されているため、投資した資金は払い戻し時に原則満額戻ってきます。

株式投資と異なり元本を割り込むリスクがないので安定した投資ができるため、リスクを抑えて運用したい人は国内債券を中心にポートフォリオを作成することをおすすめします。

ただし、リスクも低い分リターンも小さくなってしまう点や、現在世界的な金利上昇が続いており、債券価格は今後下落していく可能性があるため、短期的に運用を考えている場合は注意が必要です。

 

バランス型「国内株式」「国内不動産(REIT)」

「国内株式」や「国内不動産(REIT)」は債券などと比較してある程度リターンを狙える運用手法です。ですが、先進国の株式などと比較するとリターンは低くなりますが、その分安全性は高くなります。

投資先を国内に絞ると、情報を得やすいので何か問題が生じた場合でもすぐに行動を起こせるメリットがあります。

ただし、リーマンショックのように株価や不動産価格の暴落があると、元本割れのリスクが出てくるため、投資する際には慎重に判断する必要があります。

 

利益追求型「海外株式」

最後は新興国株式や先進国などの海外株式です。これらの投資先は全体の値動きが大きくなる特徴があります。

世界的に経済がストップするレベルの問題が起きると、大きなリスクになりますが、世界的な経済成長があると大きな利益になるメリットがあります。また為替リスクにも注意を払わなければいけません。

リスクも比例して大きくなりますが、大きなリターンを期待できるので大きな利益を目標にしている人におすすめです。

新興国株式は経済成長が著しい国をピックアップし、長期的に企業成長の見込みがある株式に投資します。

ただし値動きがかなり大きい為、高度な分析力と冷静な判断力が求められます。リターンは大きいですが、投資初心者には手が出しにくい点がデメリットと言えます。

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最適な資産ポートフォリオで自分の資産を最大化しよう

いかがだったでしょうか。

この記事では、資産運用においてポートフォリオが重要である理由、基本的な考え方、そして具体的な運用手法などをご紹介してきました。

ご自身にとって最適なポートフォリオは見つかったでしょうか。

適切なポートフォリオを理解し構築していくことで、リスクを最小化しながらリターンを最大化していくことができるようになります。

今後は、自身のライフステージに応じて、必要なリターンやリスク許容度をリバランス(再構築)しながら、最適なポートフォリオを完成させ資産の最大化を目指していきましょう。