資産運用の基礎知識と注意点

老後資金の不安を解消!正しい運用で資産形成を目指そう

asset-management-and-retirement-concerns

「老後資金の不安」と聞いて、皆さんはどう思うでしょうか。

「老後2,000万円問題」がマスコミで大きく取り上げられ、話題になったのも記憶に新しいですね。30代/40代の方などは、親の介護が始まるなどを通じて老後資金の問題がよりリアルに感じられてきたという方も多いのでは。

 

「生命保険文化センター」の調査によると、8割以上の人が、老後の生活/資金に不安を抱えているとのこと。将来の生活資金に不安を抱えている方がほとんどです。

Anxiety-about-old-age出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4)年度

 

またその理由については、「公的年金だけでは不十分」と回答した人が約8割となっています。Reasons-to-be-worried-about-retirement

出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4)年度

 

一方で大きな問題なのは、老後資金に不安を抱えながらも、正しく対策をできている人が多くないことです。

読者の皆さんの中にも「なんとなく不安」で終わらせてしまって、計画的に貯蓄を行ったり、資産運用を行ったり、そういった行動に移せていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、老後資金の問題への対策を徹底解説します。

具体的なプランニングも含め、皆さんの不安が解消できるような情報をお伝えできればと考えています。

「老後資金に不安がある」「貯蓄や運用をどうすればよいかわからない」という方は、ぜひご一読してみてください。

老後のための資産運用 1分でわかるまとめ

<老後生活の資金は結局いくら必要なのか?>

  • 夫婦2人暮らしで20年生活するための老後資金は約2,000万円
  • 長寿社会で老後生活が伸びること、怪我や病気のリスクを考えると、より多くの資産を確保したいので3,000万円が一つの目安。

<老後資金を賄うためのポイント>

  • 貯金で3,000万円を確保しようと思うと、毎月8万円/30年間もの貯金が必要
  • 年利5%で運用できるなら、毎月3.5万円/30年で3,000万円に!
  • 貯金だけではなく、資産運用を行うことで負担が減らせるが非常に重要

<特にオススメの投資手法>

  • 老後資金の不安を解消するために、できるだけローリスクな運用方法でプランニングを
  • 初心者は、国内ファンド70%/海外ファンド30%がわかりやすくおすすめ

不安な老後資金、結局お金はいくら必要なの?

みなさんが不安に感じている老後資金。結局いくら必要なのでしょうか。

 

夫婦二人で生活するために必要な1ヶ月の資金は、食費、住居費、光熱費などの生活費用、それに税金や社会保険料などを加えると、月約27万円程度と言われています。

仮に、65歳から85歳までの20年間を生活すると考えると、27万円×12ヶ月×20年で、なんと約6,500万円もの支出があることがわかります。

この数字だけでも、思ったよりも多額のお金が必要なんだな、とびっくりされた方も多いかもしれません。

 

支出に対して、収入はどうでしょうか。

きちんと年金を納めていた人であれば、年金が収入になります。一般的な会社員の方であれば、国民年金+厚生年金で、1ヶ月に約20万円の収入があることになります。

 

ですが、先ほどお伝えした通り、1ヶ月の出費は27万円ですから、20万円では賄いきれません。毎月7万円分が赤字として生じます。

不足分/赤字について、先ほど同様に20年間分の計算をしてみると、7万円×12ヶ月×20年で計1,680万円の不足分が生じます。

 

単純に考えると、老後を不自由なく暮らすためには、この不足分の1,680万円を確保しておくことが必要になります。65歳になるまでに1,680万円分を蓄える、それが一つの目標と言えるでしょう。

先ほどは65〜85歳の20年間で計算しましたが、90歳、100歳まで生きることを考えれば、より多くのお金が必要になります。

また、高齢になって病気や怪我を患い、治療費や入院費がかかることなども想定すると、さらにお金が必要になることも。

こうした点を踏まえて、2,000万円〜3,000万円程度を老後資金として確保しておくことが必要だと言われているのです。

 

老後資金として必要な3,000万円を蓄えるために

3,000万円を蓄えるためには、どんな準備が必要でしょうか。

 

全てを「貯金」で用意するとしましょう。

もしあなたが25歳でこれから貯金を始めるとすると、40年間(480ヶ月間)で、3,000万円を貯める必要があります。つまり、ひと月に6万円強の貯金が必要になります。

もしあなたが30歳/35歳でこれから貯金を始めるとすると、同様の計算で、ひと月に7万円強/8万円強の貯金が必要になります。

 

「毎月6〜8万円ずつ貯金していくべき」と言われても、なかなか現実的ではないと感じる方が多いのではないでしょうか。

特に、結婚/出産/教育/介護など様々なライフイベントによる多額の出費とも並行して貯金を行う負担は小さくありません。

ですから、ここ数年、特に資産運用の重要性が語られているのです。

 

資産運用のメリットは「複利」で資産を増やせることです。

例えば、100万円を年間5%の利回りで運用すると、1年で5万円が増え、合計は105万円になります。翌年は増えた額も含めた105万円で同じく運用すると、1年で5.25万円が増え、合計は110.25万円になります。

 

このように、増えたお金をまた運用することで、増加幅がどんどん大きくなっていくのが「複利」の有効性。繰り返していくと10年後には200.4万円、20年後には401.7万円にもなります。

 

これは、まとまった金額を運用するのでなく、徐々に資産を積み立てていく場合も同様です。

毎月5万円、利息のつかない「貯金」をしていくと、年間で60万円 / 10年で600万円 / 20年で1,200万円 / 30年で1,800万円となります。

一方で、こちらも年間5%の利回りを想定して、運用しながら積み立てていくと、10年で776万円 / 20年で2,055万円 / 30年で4,161万円 になります。

同じ金額5万円を毎月「貯蓄」or「運用」しているかで2,300万円以上の差ができています。

 

先ほどの例では、老後を目指して30年で3,000万円を貯めるには、毎年8万円強の貯金が必要と計算されました。

一方、運用しながらの積み立てでは毎年5万円が30年で4,161万円。また、想定利回りを下げて年3%だとしても、月5万円を30年で約3,000万円に到達します。

結果だけを見ると、非常に大きな差が生まれていますね。

 

もちろん、資産運用が必ずしも安定してリターンを残せるとは限りません。しかし、適切に資産運用を行うことで、負担少なく老後資金の形成が行える可能性が高いことは間違いないでしょう。

20代/30代のうちから、細かい積み立てを通じて投資/資産運用を行い、徐々に資産を増大させていく。
あるいは相続金や退職金など、大きなお金が入った時に資産運用を行うことで、そのお金をより大きくする。

こうした活動によって、老後生活に十分な資金を自ら作り上げていくのが、現代社会において重要だと言われています。

 

老後資金を確保する具体的な運用プラン

まず基本となるのは、毎月決まった金額を運用に回す癖をつけることです。

先ほど例にあげたように「複利」の効果は絶大です。月に数万円であってもコツコツ資産運用を行うこと。これが将来の大きな金額に繋がります。

また、相続金/退職金などを受け取った時は、資産運用のチャンス。多くの場合、今すぐ手をつける必要のない余剰資金であることがほとんどでしょう。多額の資金を元手に資産形成を狙うことが可能です。

 

そして、次に考えるべきは、リスク/リターンのバランスです。

投資の世界では「ローリスク/ローリターン」「ハイリスク/ハイリターン」が基本です。資金の大幅増を狙えるのは良いことですが、ハイリターンを狙って、老後資産を減らしてしまっては元も子もありません。

 

まず基本としてお勧めしているのは、こちらの記事『資産を最大化する最適なポートフォリオの組み方とは』でも解説している「国内ファンド70%/海外ファンド30%」のようなポートフォリオです。

景気に左右されにくい国内ファンドをメインで運用し、残りも海外ファンド(全世界株式連動型投資信託など)にすることで、リスクを回避し、安定したリターンを目指します。

国内・海外両方に投資すれば、為替リスクも軽減できます。政治や社会情勢、何らかの経済危機が起きても、簡単には倒れないような運用と言えるかと思います。

 

慎重な投資先の選択は必要ですが、正しい投資先の選択によって、非常にリスク少なく、安定して年利1%〜3%以上を目指せるのではないでしょうか。

自分の将来を支える資金だからこそ、不安なく安定して資産形成を行えるプランをお勧めしています。

もちろん投資になれてきたら、個別株への投資など、比較的ハイリスク/ハイリターンな投資もオススメです。投資/資産運用に強い興味を持つ人は、勉強を積み重ねて、より資産を増大させることを目指してみても良いでしょう。

 

老後資金のための資産運用 -ここまでのまとめ-

今回は、老後資金の不安を解消するために、正しい運用で資産形成を目指す方法についてお伝えしました。

最後に、もう一度この記事のポイントをまとめてみましょう。

<老後生活の資金、結局いくら必要なのか?>

  • 夫婦2人暮らしで、20年生活するための老後資金は最低でも約2,000万円
  • 長寿社会で老後生活が伸びること、怪我や病気のリスクを考えると、より多くの資産を確保したいので3,000万円が一つの目安

<老後資金を賄うためのポイント>

  • 貯金で3,000万円を確保しようと思うと毎月8万円/30年間もの貯金が必要
  • 年利5%で運用すれば、毎月3.5万円を30年で3,000万円に
  • 貯金のみではなく、資産運用を行うことが非常に重要

<特にオススメの投資手法>

  • 老後資金の不安を解消するために、できるだけローリスクな運用方法でプランニングを
  • 国内ファンド70%/海外ファンド30%が、初心者にもわかりやすくおすすめ

 

冒頭にも述べた通り、老後資金の不安に関しては「何となく不安」だけで、行動/実践に移せていないという方がほとんど。この記事を読んで理解が深まっていれば、まずは少しずつでも行動に移して、老後の備えを進めていっていただければと思います。

他にも、資産運用/資産形成についての紹介をしているオススメ記事がありますので、ぜひそちらにも目を通してみてくださいね。