BMキャピタル(BM CAPITAL)が信用して出資することができるファンドなのかについて検証していきます。
個人でも出資しやすいヘッジファンドとして、運用が安定しているという点が評価されていおり人気のファンドである一方で「怪しい」という声も聞こえてきます。
ですが、長年投資している経験からして、BMキャピタルは安心して投資できるヘッジファンドだという実感があります。
今回は、そんなBMキャピタルの口コミや評判について、個人的な経験も踏まえて解説していきたいと思います。
BMキャピタルへの投資について
BMキャピタル(BM CAPITAL)が怪しいかどうかを検証する前に、まずはファンドの概要について簡単に整理していきましょう。
BMキャピタルについてなんとなくしかわからないという人はここでおさらいしておきましょう。
ファンド概要
名称 | ビーエムシー合同会社 |
英名 | BMC LLC |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1 |
事業目的 | (1)金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引 (2)各種事業への投資 (3)有価証券の自己募集 (4)経営コンサルティング業務 (5)前各号に附帯する一切の業務 |
参考:BMキャピタルHPより
BMキャピタルは、安定した運用を強みにする日本のヘッジファンドです。
ファンドについて理解するために、まずは以下の3つのポイントに絞って確認していきます。
- 運用の特徴
- 募集形態
- 出資の条件
運用の特徴
BMキャピタルは「資産を守る、損をしない」という投資哲学の元、パフォーマンスが安定しており堅実な運用をしているといった特徴があります。
細かいトラックレコードは公開されていませんが、
- 過去にマイナスになった年が0回
- 6年間で資産価値2倍
- 平均利回り年10%以上
という安定した実績を誇っています。
参考:BMキャピタルHPより
リスクを抑えた安定した運用を重視しているBMキャピタルは、「バリュー投資」をメインの投資手法に据えています。
バリュー投資は、会社の資産価値に注目し割安な株式に投資する投資スタイルであり、相場や景気の上下に左右されにくく、値崩れしにくい安定した運用に適しています。
投資の神様とも言われるウォーレン・E・バフェット(Warren Edward Buffett、世界最大のヘッジファンドであるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEO)も最も重視しているヘッジファンドの王道投資スタイルです。
リスクを抑えた運用に偏りすぎると、リターンが小さくなってしまいがちですが、BMキャピタルは「年平均10%以上」という十分すぎるパフォーマンスを維持しています。
募集形態
BMキャピタルはいわゆる「私募」と呼ばれるファンドであり、自社で直接投資家(出資者)を募集しています。
銀行や証券会社に問い合わせても何も情報は得られないので、興味がある人は、ファンドのHPから直接問い合わせてコンタクトを取る必要があります。
出資の条件
BMキャピタル(BM CAPITAL)は自社で直接募集をしているということもあり、出資の際に面談を通じて、ファンドの詳細や契約内容(手数料やロックアップ等)について説明を受ける必要があります。
また、投資信託のように数多の投資家が買えるものでもないため、1,000万円以上の資金を用意できる投資家に対象が絞られているようです。
そもそもバリュー投資のようにリスクを抑えて堅実に運用するというスタイルは、まとまった資産の運用にこそ適しています。
少額であれば、リスクがあっても高い利回りが期待できるような投資先でも良いでしょうが、ある程度の資産を運用する場合、リターンよりもリスクに目を向けるべきです。
BMキャピタルは長期的にじっくりと資産形成する人向きでもあるため、1,000万円という最低金額のラインは、ファンドの理念と投資家のニーズを整合させるという点でも筋が通っています。
投資の世界で注意が必要な詐欺 / ポンジスキーム
BMキャピタルがどうこうという前に、投資の世界で知っておきたい詐欺の仕組みについて簡単に解説しておきます。投資詐欺の中で最も有名なのは「ポンジ・スキーム」でしょう。
ポンジスキームとは
ポンジ・スキームとは、チャールズ・ポンジという詐欺師の名前に由来する詐欺の手法で、「出資された資金を運用し、運用益から出資者に配当を出す」などとしているものの、実際には運用せずに出資金をそのまま切り崩して出資者に還元し(てるように見せかけ)ます。
ポンジ・スキームの巧妙なところは、実際に配当を出し、高利回りをうたうことで新たな出資者/出資金をどんどん集め、どんどんと配当を出し続けることができる点です。
初期の出資者の中には、実際に出資金以上の配当を受け取る人も出てきます。そうやって実際に儲かる人を作ることで、信用を勝ち取ります。
ですが、実際には運用をしておらず資産は増えない自転車操業です。
そのため、新規の出資者が集まりにくくなってきたり、(持ち逃げするのに)十分な資金が集まった段階で、集めた資金をもって逃げるというのがポンジスキームです。
どんなファンドに注意が必要か
ポンジ・スキームを働くような詐欺ファンドにはいくつか特徴的なポイントがあります。これを知っておくだけで怪しい話を避けることができるかもしれないので、きちんと押さえておきましょう。
異常に高い利回り
まず初めに詐欺ファンドは、とにかく資金を集めることが最優先なので、大きなエサをぶら下げてきます。
その中でも最も代表的なのが「異常に高い利回り」と「保証されたリターン(元本保証)」です。
投資の世界では、年10%ものリターンが出せればかなりの上位クラスです。
最近日本の商社株への投資で話題になった、世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットで、平均すると年20%ほどなので、それを超えるようなリターンを掲げている場合は注意が必要です。
例えば「毎月3%」と聞くと「悪くないな」などと感じてしまう人もいるかもしれませんが、これは年36%になるので、少しでも投資の経験がある人であればまずありえないと感じる利回りになります。
元本保証・固定されたリターン
「元本保証」「毎月の固定リターン」などを掲げているファンドにもかなり注意が必要です。
投資にはどんなものにもリスクが伴うため、基本的に元本保証でそれなりのリターンが得られることはありません。
例外的なものに、銀行預金や債券などがありますが、年0.1%未満(高くても年1%)程度が限度になります。
また、毎月固定の配当/分配金を出すタイプのものにも注意が必要です。
運用によって利益が得られなかった場合、特別配当として元本(出資金)の一部を切り崩し基準価格を下げながら配当を出す、ということが明言されているようなケースもありますが、あたかも「毎月確実に利益が得られますよ」というスタンスのものには注意してください。
派手な情報発信
とにかく資金を集めることが最重要の詐欺ファンドの場合、過度の情報発信をしているケースもよく目にします。
当然、信用できるファンドもある程度の広報・PR活動はしていますが、あくまでもファンドの事業(運用)に関するものが中心です。
一方で、詐欺ファンドの場合、やたらと儲かっているアピール(投資家の声)や、派手なオフィス、ブランドものや高級ディナーなど、投資事業と関係ない情報をアピールしているケースがよくあります。
最近だと、詐欺ファンドに限らず、SNSで投資系の情報商材を扱っているケースもよく目にします。若くて綺麗な女の子が、副業で簡単に儲かったアピールをしているのを目にしたことがある人もいるでしょう。
こういった「やたらと儲かっているアピール」が目につくファンドにも注意が必要です。
少額からはじめやすく間口が広い
証券会社で買える/投資できる投資信託とは違い、直接契約を結ぶタイプの私募タイプのヘッジファンドの場合、契約できる投資家の数に限度があり、またファンドと投資家との距離が近いため、ある程度まとまった出資金(最低でも1,000万円〜数千万円)が必要になったり、本人確認が必要になる場合がほとんどです。
投資信託の場合、証券会社に口座を作る段階で、そういった審査が行われ社会的信用が担保されています。
ですが、詐欺ファンドの場合は、そもそも自分たちが犯罪組織なので、出資者の都合や人柄など関係ありません。
とにかく出資金を集めることが最優先なので、間口が広く「少額から」「誰でも手軽に」始められるように設定されています。
そのため数万円単位で始めやすかったり、ネットだけで手続き(申し込み〜契約〜口座開設〜出資)が完結したりと、やたらと便利だったりします。そういったファンドには注意が必要です。
これは弁護士をやっている友人から聞いた話なのですが、1億円を集める場合、10人から1,000万円ずつ集めると訴訟になったりするケースが増えますが、1万人から1万円ずつ集めると「1万円だったらしょうがないか」と全員が諦めて泣き寝入りしまうケースが増えるらしく、結果として詐欺師はラクに儲けやすいらしいです。少額で集めるのには、こういった巧妙な罠も隠されています。
解約/出金に制限・制約がある
ポンジ・スキームのファンドは、資金を持ち逃げするために、簡単に解約に応じてくれません。一度に全額が出金できなかったり、解約の際に条件が設けられていることがあります。
そうやってなかなか解約/出金の要求に応じずに、資金を持ち逃げします。
具体的に何をしているのかわからない
これが最もわかりやすいポイントですが、ポンジ・スキームのファンドは具体的に何に投資しているのかが、投資家にもわかりません。実際には投資も運用もしていないのですから当然です。
もちろんファンド側の説明は「海外の〇〇を介して〜」「最新の××事業が〜」などと複雑でわかりにくいからしょうがないというような印象になるように説明してきますが、「難しいからしょうがない」などと諦めずにしっかりと内容を把握するようにしましょう。
先ほども登場した投資の神様バフェットも言っていますが「自分がわかるものに投資する」ことが何よりも重要です。
「周りが投資しているから」「よくわからないけど」という状態で投資に走らないように注意しましょう。
その投資のポイントや魅力がわかりやすいことも、投資先選びの重要な指標の一つです。
BMキャピタルが怪しいと言われるポイント
BMキャピタルが「怪しい」と言われているポイントについて、その原因と共に真偽のほどを検証していきたいと思います。
情報が少ない
BMキャピタルが怪しいと言われているポイントの1つに「開示されている情報の少なさ」があります。
一般的な投資信託のように、目論見書や運用報告書などでトラックレコードなども公開されていませんし、大々的な広告も見つかりません(ネットで検索すれば出てきますが)。
確かに、この点は先ほどの「具体的なことがわからない」という点に近いものがあります。
情報が少ないことから「何かやましいことがあるから隠しているのではないか」と考える人もいるようですが、私募のヘッジファンドの情報が少ないのは一般的なことです。
そもそも上場会社でもないので、情報を公開する義務もありませんし、自社募集のファンドの場合、全面的な情報公開は「公募」とみなされてしまう場合もあるので、ある程度絞った内容になってしまうのは仕方のないことでしょう。
「情報が少ない」という点から、BMキャピタルが怪しいと判断するのは早計です。
運用ではなく、「儲かってますよ」というアピールに注力しているようなファンドの場合、運用の実態にも目を向けて見ることをおすすめします。
合同会社である
BMキャピタルが「合同会社」であることを気にしている人もいるようですが、この点については何の問題も心配もありません。
一般的に「会社=株式会社」と認識している人も多いため、そもそも「合同会社って何?」と考えている人も多いようですが、どちらも立派な会社であり「合同会社=怪しい」という認識は間違っています。
合同会社の場合、将来的に上場もできないため、社会的な信用を勝ち取ることが難しく、株式会社の方が信用度が高いという認識を持つ人もいるようですが、その考えは誤りです。
世界的な大企業であるGoogleやApple、Amazonも合同会社ですし、国内に目を向ければ西友やUSJも合同会社です。
世界4大会計事務所の1つである、デロイト・トゥシュ・トーマツの傘下企業である「デロイト トーマツ」も合同会社ですし、P&Gの関連会社「P&Gプレステージ」も合同会社です。
これらの企業の名前を見るだけでも、合同会社が決して怪しい組織ではないことがわかります。
合同会社には、株式会社と比較して
- 設立の費用が安い
- ランニングコストが低い
- 意思決定がスムーズ
などの様々なメリットがあります。
株式会社と合同会社のどちらが優れているということもなく、それぞれにメリット・デメリットがあり、会社を設立する際により経済的で合理的な方が選ばれるのです。
金融庁の認可を受けていない
最後のポイントにして、最もBMキャピタルが疑問視される点はここでしょう。
一般に、株や投資信託などの有価証券を売買する際には、「第一種金融商品取引業者」として金融庁に届け出る必要がありますし、ファンドとして集団投資スキーム持分や信託受益権などの有価証券を販売する場合にも「第二種金融商品取引業者」としての届出が義務付けられています。
これらの登録業者は金融庁の金融商品取引業社一覧から確認することができますが、BMキャピタルの名前はここに掲載されていません。
金融庁の認可を受けていないということは「違法なファンドなのではないか?」と考えてしまう人もいるようですが、BMキャピタルは自社が直接、自分の会社の社員持分(株式会社における「株式」のようなもの)を販売しているだけなけなので、認可の必要がなく違法行為ではありません。
例えるなら、ベンチャー企業が自社の株式を友人や出資者、従業員にストックオプションとして渡しているような状態であり、金融商品取引業者としての登録がなくても問題ないことはなんとなくイメージできるかと思います。
※法律関連の話題はかなり複雑で難しいのでここでは割愛します。興味のある人は金融庁や法律事務所のHPを確認してみてください。
過去に解散している?
BMキャピタルは、これまでに何度か解散しているという情報もあります。定期的に解散し、その都度新規に会社を作り直して活動を続けているということです。
この「解散」という過去が、怪しさに繋がっている(何かやましいことがあるから解散したのではないかと勘繰られている)ようですが、冷静に考えるとそんなことはないとわかります。
詐欺組織や怪しい会社が解散をするのは、解散する(会社を消滅させる)ことによって、痕跡をなくしてバックレるためです。
ですが、BMキャピタルは何度も会社を作り直し、事実上、事業を継続しています。現時点でBMキャピタルが存在し、事業を続けている以上、過去の解散は不安材料にはならないでしょう。
BMキャピタルがこれまで解散をしてきた理由には、合同会社の社員数の上限などが背景にあると言われていますが、詳細/具体的な理由が気になる人は、BMキャピタル(の担当者)に直接確認するのが確実です。問い合わせ・資料請求がてら、直接質問してしまうのもOKです。
BMキャピタルが信頼できるポイント
10年以上の歴史と実績
BMキャピタルは、10年以上運用し続けている長い歴史と実績があります。
厳密に言うと、法人は先述の通り解散/再設立していますが、BMキャピタル(屋号/ブランド)としては、長い歴史があります。
過去に解散の歴史があることを問題視している人がいますが、もし詐欺の場合、解散=持ち逃げなので、BMキャピタルのように再設立することはありません。
法人の設立・解散には、それなりの手間とコストがかかるので、資金を持ち逃げするつもりのファンドが何度も会社を設立しなおすのはなかなか考え難いと言えます。
また解約や出金についても、(3ヶ月ごとであれば)問題なく行えますし、過去にトラブルになったという事例もないようです。
「出金要請してもいつまでも返金されない」「全額の出金は拒否される」などの解約に関するトラブルが話題になったファンドなどは、かなり投資詐欺の疑いが濃くなってきます。
解散は経験していても、再度設立して事業を続けているので問題ないでしょう。
合同会社は間違いなく適法
先述の通り、BMキャピタルが合同会社であることについては、なんの問題もありません。もちろん、認可の点においても、法律(金商法)上問題はありません。
法律について詳しく解説するのは難しくなってしまうので、少し視点を変えて話をしますが、そもそもBMキャピタルは非常に知名度の高いファンドであり、その存在は決して小さいものではありません。
また、ネット/SNS上で「怪しい、詐欺じゃないのか」などと噂が出るようなファンドを金融庁が認知していないわけでもなく、実際、BMキャピタルには過去に金融庁の聞き取り調査が入ったという話もあります。
にも関わらず、現在もBMキャピタルが堂々と事業を続けているということは、金融庁がその存在 / 事業を認めているということであり、問題ない=信用できるファンドであると考えることができます。
リスクについて明確に言及している
これまでの運用成績については「マイナスになった年がない」と圧倒的な成績を掲げていますが、BMキャピタルのQAを見ると「元本保証ではない」ということが明記されています。
また、契約・出資の際には面談が必要になりますが、そこでも「元本保証ではない(運用にはリスクが伴う)こと」「出資は無理のない範囲(余剰資金)ですること」について再三確認がありました。
運用実態(具体的な投資先)が確認できる
BMキャピタルがネットなどに公開している情報には詳しいことは書いていませんが、結論から言えば、BMキャピタルの具体的な投資先は簡単に調べることができ、実際に投資していることが誰でも確認できます。
ここでの詳しい解説は省略しますが、複数社の四半期報告書等で大株主として確認でき、きちんと投資をしている実態が確認できます。
BMキャピタルの投資先 / 投資実態について、詳しくはこちらの記事で詳しく検証しています。詳細について興味のある人はぜひこちらも合わせてご一読ください。
BMキャピタルに投資する際の注意点
このように、巷では様々なウワサ / 憶測が飛び交うBMキャピタルですが、 信用して投資できるヘッジファンドだと言って問題ないでしょう。
とは言え、投資する際には最低限のポイントには注意が必要です。
まず初めに、いくらこれまでの運用成績が良い・安定したパフォーマンスが期待できるとはいえ、今後のリターンが保証されているわけではありません。
BMキャピタルHPのQAでも明記されているように、元本保証ではなく投資した資金は減る=損をする可能性は当然あるので肝に銘じておきましょう。
また、出金や解約について、トラブルは無いようですが、「最低1,000万円から」「四半期ごとの募集・解約(出金)」という制約はあります。
そのため、急に手元にお金が必要になったとしても、最大で3ヶ月弱は返金されるまでのタイムラグが発生する可能性があります。
その点については、十分に注意して、無理のない範囲内で余裕をもって出資するようにしましょう。
まとめ
BMキャピタル(BM CAPITAL)についてのここまでの内容をまとめると以下のようになります。
BMキャピタルが特別怪しいと言えるような情報もなく、とりあえずは大丈夫と言ってよいでしょう。
ネットなどでの口コミを見ても「怪しい気がする(ので保留にした)」といったコメントはありましたが、具体的な被害などのコメントは一切見つかりませんでした。
とはいえ、ここまでの情報はあくまでも検証・考察であり、最終的にはあなた自身の目で見て判断してください。
直接問い合わせることで、より詳しい内部情報を知ることもできるでしょうし、ファンド(BMキャピタル)のメンバー・スタッフと会って直接話して得られる印象なども非常に重要です。
興味があるのであれば、怪しいからといって避けるのではなく、問い合わせてその目で確認することをおすすめします。