資産運用の基礎知識と注意点

[貯蓄と老後資金]50歳から始める投資/資産運用について考える

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「50歳」は、自分の資産について考えるのに適切な一つのタイミング。退職や老後の生活が徐々に近づき、資金プランニングの重要性が現実的になってくる年齢です。

 

また、年齢が上がるにつれて多額の給与を得るようになったり、家族や親戚などからの相続金を得たりなどで余剰資金が増えるといった理由でも、投資や資金運用を考えるべきタイミングだと言えるでしょう。

 

そこで今回は、50歳での投資/資産運用について検討していきます。

50歳時点での貯金額や収入を想定した上で、

  • 老後に備えるためにどうしたら良いのか?
  • いくらぐらいの資金があれば十分か?
  • どれくらい貯金 / 投資を行えば良いのか?

など、具体的な資金シミュレーションを想定しながら、皆さんの参考になるような情報をお届けできればと思います。

自分の資産状況に応じて、参考にすべきプランニングを見つけてみてくださいね。

1分でわかるまとめ

一般的なデータを元に試算すると、

90歳まで生活するために50歳から準備をする場合、

  • 貯蓄のみであれば、65歳までに毎月13万円の積み立てが必要
  • 年利5%で資産運用を続ければ、65歳までに毎月5.4万円の積み立てでOK!

適切な資産運用によって、老後に備えるための準備が大きく楽になる!

50歳で考えておくべき、老後のための資産構築

老後に安定した生活を送るためには、退職時に2,000万円から3,000万円ほどの貯蓄が必要だと聞いたことのある人も多いかと思います。実際にはどれくらいの資金が必要になるのでしょうか?

2人家族を想定して、計算をしてみましょう。

 

まずは、日常的な生活費。老後の生活を送るための最低月額生活費は、平均約25万円と言われています。また、よりゆとりのある・・・・・・生活を送るためには、平均35-40万円が必要だともされています。

 

仮に65歳〜90歳までの25年間(300ヶ月)を暮らすと想定すると、

  • 月25万円の場合:7,500万円
  • 月30万円の場合:9,000万円
  • 月40万円の場合:12,000万円

が生活にかかることがわかります。

 

また、自身の医療費や両親の介護費など、生活費以外にも資金が必要になることが想定されます。

これらは、以下のような金額が一般的とされています。

  • 親の介護費用:
    一人当たり:平均600万円程度:
    ➡︎両親ともに必要な場合:1,200万円
  • 親の葬儀費用
    一人当たり:平均100万円程度
    ➡︎両親ともに必要な場合:200万円
  • 自身の医療費用
    一人当たり:平均300万円程度
    ➡︎家族2名と考えると:600万円

これらを全て賄おうとした場合は、合計約2,000万円と考えられます。

 

先ほど紹介した生活費と介護/医療費用などを合計すると、老後の支出は最低でも9,500万円、ゆとりのある生活を過ごすための支出は1億1,000万円〜1億4,000万円にものぼることがわかりました。

 

ただ、65歳以降にも年金などの収入がありますから、65歳までに1億円が必要というわけではありません。

 

では、65歳以降の一般的な収入はいくらぐらいなのでしょうか?年金受給のみを収入として、計算してみましょう。

 

年金による収入は、共働き家庭で月額約27万円 / 片働きの場合は月額約23万円と言われています。

 

同様に、65歳〜90歳までの25年間(300ヶ月)を想定すると、

  • 月23万円の場合:6,900万円
  • 月27万円の場合:8,100万円

の収入になると考えられます。

 

ここまでの情報をまとめると、

支出

  • 一般的な生活を送る場合:約9,500万円
  • ゆとりの大きい生活を送る場合:約1億4,000万円

収入

  • 片働きの場合:約6,900万円
  • 共働きの場合:約8,100万円

一般的な世帯を想定すると、老後支出は約9,500万円、老後収入は約6,900万円であり、差額の約2,600万円程度が不足分と考えられます。

 

つまり、一般的に言われている「退職時に2,000万〜3,000万円が必要」 はかなり妥当性が高そうです。

では、こうした情報を元に、老後の生活に備えるためには、50代からの人生をどのように過ごし、どのような準備をすればよいでしょうか?それを考えてみましょう。

 

50歳から老後の生活に備えるプランを考えよう

必ずしも2,600万円が必要ではない理由

まずは、最も重要なポイントをご紹介します。

「不足分が2,600万円」とお伝えしましたが、必ずしも「65歳までに2,600万円を現金で持っておく」必要はありません。

 

場合にもよりますが、65歳時点で1,500万円〜2,000万円程度の資産があれば、65歳以降も資産運用を続けることで、不足分を賄うことが可能です。

 

言い換えると、

「65歳までに貯蓄をしきって、その取り崩しと年金収入で支出分を賄う」という考え方ではなく、

「65歳までにある程度の資産を形成し、65歳以降も資産運用を行うことで運用収益を得ながら、資産の取り崩し / 年金収入によって、支出分を賄う」という考え方が重要です。

 

もう少し具体的に考えてみましょう。

 

  • 貯蓄の取り崩しで生活する場合
  • 運用を行いながら取り崩しをして生活する

の2つのパターンを比較してみます。

 

前者については、以下のようなイメージです(計算の簡便化のために、必要資金を2,600万円から少し減らしています)

65歳から、8万円ずつ取り崩していく × 運用なし
→65歳時点で2,400万円あれば、90歳まで資金が持つ

前段で説明したように、老後支出が老後収入を上回るので、貯蓄を取り崩すことでその不足分を賄う、という考え方です。

 

後者については、以下のようなイメージです。

65歳から、8万円ずつ取り崩していく × 年利3%で運用する
→65歳時点で1,700万円あれば、90歳まで資金が持つ

65歳から、8万円ずつ取り崩していく × 年利5%で運用する
→65歳時点で1,400万円あれば、90歳まで資金が持つ

 

投資/資産運用を行う前提であれば、約2,400万〜2,600万円必要だったものが、約1,400万〜1,700万円程度で十分だと言われると、大きな差ですよね。

資産をただ取り崩すだけでなく、資産を運用しながら使っていくことで、65歳時点で必要な額が大きく減ることがわかります。

 

こうした観点からも、今のうちから投資/資産運用に目を向けて、慣れておくことは非常に重要です。

 

50歳〜65歳の資産構築プラン

では今度は、65歳までに1,700万円を準備するプランを考えてみましょう。

様々な調査を参照すると、50代(独身でない世帯)の貯金額/保有金融資産額は、

  • 平均値:約1,200万円程度
  • 中央値:約250万円程度

と言われています。

こうした想定の際、平均値は、一部の富裕層によって引き上げられていることが想定されることから、中央値を参考に考えていきましょう。

 

つまり、一般的な50代世帯の貯金額/金融資産額は250万円程度。

 

今回のテーマである「老後の生活に備える」ことを考えると、65歳の退職までに1,700万円を目指して、貯蓄や資産運用を通じて差額の1,450万円を確保することがターゲットと言えるでしょう。

 

50歳から65歳を15年間として、15年間(180ヶ月)で1,450万円を貯めるためのプランを考えていきます。また、退職金制度がない会社も多いため、今回は退職金をあてにしないケースで検討しています。

 

こちらも、まずは貯蓄だけで1,450万円を貯めるプランを考えてみます。

 

1,450万円を180ヶ月で貯めるので、単純計算で1ヶ月に8万円程度の貯金積み立てが必要になります。

これは現実的なのでしょうか?

 

50代の世帯年収(世帯主1名/配偶者の補助収入)は、

  • 平均値:約700万円程度
  • 中央値:約500万円程度

と言われています。

 

今回も中央値を対象に考えてみます。

収入のバランスなどによっても変わるため、大枠の計算ではありますが、

これを手取りに換算すると、

  • 年間手取り400万円程度 = 月間手取り34万円程度

となります。

 

これに対して、50代の月間の支出は、夫婦二人で25万〜27万円、子供がいる場合は30-35万円になると言われています。

 

特に子供がいる方にとっては、1ヶ月に8万円ずつ貯金をするのはなかなか難しい計算になります。

実際の普段の貯金額を考えても、納得感があるのではないでしょうか?

また、話は戻りますが、65歳以降で資産運用をしない場合は2,400万〜2,600万円の貯蓄が必要なので、月間13万円ほどの貯金が必要になります(これまた厳しい数字ですよね)

 

貯蓄だけを頑張るのは難しいことがわかったので、50代から資産運用を続けていくケースを想定してみましょう。

 

途中計算は割愛しますが、以下のようなパターンが考えられます。

  • 毎月6.4万円の積み立て × 年利3%で運用
    :15年間で1,452万円(元本1,152万円 + 運用益300万円)
  • 毎月5.4万円の積み立て × 年利5%で運用
    :15年間で1,443万円(元本972万円 + 運用益471万円)

参考:資産運用シミュレーション : 金融庁

いかがでしょうか?

資産運用を行うことで、月の積み立て額が2万〜3万円ほど減ること、必要な合計元本は500万円も減ることを考えると、こちらも大きな違いです。

 

情報が多くなってしまったので、今までの話をまとめてみましょう。

<投資/資産運用を全くしない場合>

  • 貯金のみで65歳から90歳までの生活を担保するためには、65歳時点で約2,600万円が必要
  • 50歳の貯金額中央値250万円から、65歳時点での約2,600万円まで貯金をしようと思うと、月間13万円ほどの貯金が必要になり、非現実的

 

<投資/資産運用を行い備える場合>

  • 65歳から90歳までの間も資産運用を続けると考えると、65歳時点では約1,450万円が必要
  • 50歳から毎月6.4万円の積み立て × 年利3%で運用
    :15年間で1,450万円(元本1,152万円+運用益300万円)
  • 50歳から毎月5.4万円の積み立て × 年利5%で運用
    :15年間で1,445万円(元本972万円+運用益471万円)

 

つまり、90歳まで生活するために、50歳から準備をする場合、

  • 貯蓄のみであれば、毎月13万円の積み立てが必要
  • 年利5%で運用できれば、毎月5.4万円の積み立てが必要

と比較できます。50歳から資産運用を行い、老後に備えることの重要性がわかりますよね。

具体的な資産運用プランが立っていない、という方は、ぜひ以下のような記事も参考にしてみてください。

おすすめ記事]

 

50歳からでも遅くない、投資/資産運用で老後に備えよう

ここまで、50歳からの投資・資産運用について検討してきましたが、いかがでしょうか。

 

50歳から投資なんて遅い、と考えている方もいるかもしれませんが、データを見ると、50歳からでも投資・資産運用をしておくことで、老後への備えの難易度が大きく下がることがわかりました。

 

今回は利回り3%〜5%といった数値で運用できることを前提にしましたが、これは今話題のNISAや、一般的な投資信託、株式投資などでも、きちんと学び、経験を積んで投資を行えば十分に狙える数値です。

 

また、資産運用を始め、投資を勉強し正しい経験をしていく中で、利回りを少しでも高めることができれば、投資した資産はさらに大きくなるはずです。

2024年から新NISAもスタートしました。安心した老後を迎えるためにも、この機会に本気で資産運用することを考えてみてください。